専修大学 様

導入事例

リガク製品の導入事例をご紹介いたします。

専修大学 様

鉱物測定を充実させたい ― 蛍光X線とX線回折装置の同時導入
 波長分散型小型蛍光X線分析装置 Supermini
 デスクトップX線回折装置 MiniFlex

[ 2009年7月27日掲載 ]

導入背景

海底熱水系における固体-流体-微生物の相互作用

海底山脈や海底火山に存在する熱水噴出孔では、地下のマグマによって暖められた海水が周囲の岩石と反応し、さまざまな金属を溶かし込んで噴出しています。その周辺には、特異な生物群集が棲息し、熱水に溶け込んだ金属から化学合成によってエネルギーを取り出す微生物と共存しています。熱水噴出孔から放出される熱水の量は、陸上の河川の海洋への流入量に匹敵するものです。

「海底下の大河」

国内の微生物・海洋生物・海洋地質・海洋物理・海洋化学の研究者は数年前から共同で研究を始め、海底熱水系は「海底下の大河」と呼べる存在であること、そして大河の流域の地質や熱源、物質供給の違いが4つの大河、すなわち「鉄」の大河・「イオウ」の大河・「メタン」の大河・「水素」の大河、を作り出し、そこでの微生物生態系を規定しているという仮説を立てました。「海底下の大河」プロジェクトは、平成20年度からの文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究に採択されました。

海底から採取された鉱物を迅速・高精度に分析したい

専修大学経営学部の佐藤暢准教授は、プロジェクトの中で、地殻・マントルの化学組成の解析を通じて「海底下の大河」を支える地殻形成プロセスを明らかにする計画研究班に所属し、大河流域の岩石組成に基づく地殻形成プロセスや変質過程などの解明を担当されています。それらの分析を迅速かつ高精度に行うために、波長分散型蛍光X線装置とX線回折装置を同時に導入されました。

SuperminiとMiniFlexIIを選んだ理由(ご担当者の声)

リガクへの信頼と地球深部掘削船「ちきゅう」での実績

東京大学海洋研究所でのポスドク時代からリガクの蛍光X線を使っていましたので、リガクの装置とアプリケーションには慣れていました。また、2008年に日本がIODPに提供している地球深部掘削船「ちきゅう」にSuperminiが搭載されたことは、自分の研究室に導入する装置を選ぶ際に、大変参考になりました。

省スペースで高精度な波長分散型

2004年から2007年までIODP(統合国際深海掘削計画)関係の国内部会の一つである科学計測専門部会の委員を務めました。そこで、掘削された岩石の分析を迅速かつ高精度で行うにはどのような分析装置が必要であるか、といった検討をしました。今回の選定には、その経験が活かされています。Superminiは卓上型で、設置スペースの心配がないこと、サテライトラボ、特に船上という特異な環境下での稼動が十分に期待できる装置である上、高精度な波長分散型蛍光X線装置となれば、他に迷うことなく決めることができました。

鉱物測定を充実させたい
― 蛍光X線とX線回折装置の同時導入

科研費申請当初は、蛍光X線装置の導入しか考えていませんでしたが、実際に海底から採取された岩石は、海水との反応が進んだ変質鉱物を多く含みます。そのような鉱物を同定することは、岩石と海水との反応を知る上でも欠かせません。しかし変質鉱物の中には、微小で顕微鏡で見てもわからないものも多い上に、水を含んだ状態であるためにEPMAでも完全には評価ができません。そのような鉱物の同定にはやはりX線回折装置の導入が必須でした。ただ、文系学部を主体とする大学であり、X線作業主任者の選任などが難しく、すぐの導入は諦めていました。蛍光X線装置を検討中に、リガクのMiniFlexIIを紹介されました。蛍光X線装置同様、卓上型で高精度測定が可能であり、しかもX線作業主任者の選任が不要という事でしたので、蛍光X線装置との同時購入を即決しました。

佐藤 暢 准教授専修大学
経営学部
佐藤 暢 准教授

「Supermini」と「MiniFlexII」研究室に設置された
「MiniFlexII」と「Supermini」

今後への期待

文系大学だからこそ、自然科学に興味を持ってほしい

今回導入した蛍光X線装置及びX線回折装置は、研究を目的とした導入であったことは言うまでもありませんが、いわゆる文系の学生が自然科学を知るために大変基本的で有効な機器だと考えています。
岩石から地球の様子を知るということに限っても、光学顕微鏡での観察からX線による分析まで、さまざまな切り口があることを知るのは重要です。これは他の自然科学の諸分野にも通じるものです。また、岩石や鉱物というものを通して資源やその背後にある経済について考えたり、科学分析の過程で統計学を利用したり、さらには科学分析にも限界があることなどを身近な自然やそれらの機器分析を利用して、学生に学ばせたいと考えています。
専修大学は文系大学ですが、地球科学のほか、化学・物理・数学・天文・生物などの自然科学を専門とする教員が多数所属しており、多彩な自然科学系教養科目を展開しています。そのような先生方と協力し、例えばX線回折装置を使って化学、物理や生物を学ぶという場面も将来的には出てくると思います。

一般の調査船でも

「ちきゅう」以外の一般の調査船でも、船上で迅速に分析を行えれば、現場での観測計画決定の支援にもなりますから、大きな利点です。実際の搭載には今後検討すべき点はいくつかありますが、Superminiのスペックが実現可能性を高めています。

機器分析という切り口を知ることも重要機器分析という切り口を知ることも重要

自然科学に興味を持って欲しい
自然科学に興味を持って欲しい
(教養ゼミナール「地球科学実習」の一コマ)

専修大学 様 http://www.senshu-u.ac.jp/

[所在地]
神田キャンパス:東京都千代田区神田神保町3-8
生田キャンパス:神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1
[創 立]1880年9月
[学生数]20,660名(2009年5月1日現在)
[教員数]  410名(2009年4月1日現在)

2009年9月に創立130年を迎える、6学部12学科、大学院、法科 大学院を擁する文系総合大学。21世紀ビジョンとして「社会知性の開発」を掲げ、専門知識と豊かな人間性を兼ね備えた社会に有為な人材育成に取り組む。大学改革にも積極的に取り組んでおり、2010年4月には「人間科学部」を設置し、あわせて文学部を新学科等からなる7学科編成とする。

導入製品

波長分散型小型蛍光X線分析装置Supermini

波長分散型小型蛍光X線分析装置 Supermini
(Supermini 200)

用途

岩石、鉱物の組成分析から、WEEE/RoHS/ELV指令に対応した重元素の微量分析まで幅広く使用できます。


デスクトップX線解析装置MiniFlexII

デスクトップX線回折装置 MiniFlexII
(MiniFlex300/600)

用途

大学・高校の教育用途から、アスベスト、遊離ケイ酸の定量分析、医薬品、工業原材料の品質管理の産業用まで幅広く使用できます。