東北大学原子分子材料科学高等研究機構 浅尾研究室 様

導入事例

リガク製品の導入事例をご紹介いたします。

東北大学原子分子材料科学高等研究機構 浅尾研究室 様

有機薄膜から無機、液晶まで幅広く対応できるX線回折装置 SmartLab

[ 2014年4月3日掲載 ]

導入背景

機能性金属触媒を用いた分子変換反応の開発

浅尾研究室では、有機金属化学を基盤とした均一系触媒や、ナノ構造金属材料を不均一系触媒として用いた分子変換反応を開発されています。またその技術を新しい有機電子材料の開発に応用し、有機薄膜太陽電池や有機発光トランジスタの開発に利用されるなど、グリーンケミストリーの創成に取り組まれています。

ナノテクノロジープラットフォーム事業

東北大学では、平成24年7月から文部科学省研究振興局が主管するナノテクノロジープラットフォーム事業に参画され、東北大学ナノテク融合技術支援センターが運営母体となりナノテクノロジー研究に携わる産学官の研究者に対し、最先端機器の開放や技術支援・研究相談を行っています。浅尾教授も本事業に参画される中で、特に分子・物質合成分野で重要性を増している有機エレクトロニクス関連の研究に注目し、その技術的課題解決へのアプローチの一つとして、結晶構造評価の重要なツールであるX線回折装置の導入を本事業予算の中で進められていました。

有機エレクトロニクス分野でのX線回折装置

X線回折法は、さまざまな物性発現の基礎となる物質の原子配列、すなわち、結晶構造の情報を得るための簡便かつ重要な方法として広く活用されています。有機エレクトロニクス材料の評価において、従来のX線回折装置では有機系材料からの信号が弱く観測が困難でしたが、高出力のX線発生源や多層膜ミラーに代表される光学系関連の技術の発達に伴って、さまざまな測定、解析手法が確立され、現在では実験室系の測定装置でも数nm程度の極薄膜の評価が可能となっています。X線回折装置の導入は、有機エレクトロニクス関連の研究支援の効率化や、我が国のナノテクノロジー分野における卓越した研究成果の創出につながることが期待されていました。
そこで今回、主に有機薄膜の構造評価のためSmartLabを導入された浅尾研究室でお話しを伺いました。

SmartLabを選んだ理由

有機薄膜の結晶性が評価できるX線回折装置

ナノテクノロジープラットフォーム事業としての今後の活動は、FETやLEDデバイス材料の合成やデバイス作成の支援に力を入れていこうと考えています。有機デバイスは薄膜(活性層)の結晶性によりデバイス性能が大きく変化するため、X線回折装置による結晶性の評価は不可欠です。有機薄膜は無機物と異なり回析パターンが得にくいことが問題となっていましたが、SmartLabは9kW高出力X線発生装置と1次元高速検出器を有しており、容易に回折パターンが得られることが導入の重要なポイントでした。

異方性評価や熱による結晶性の変化を捉える

薄膜が小さい結晶の集合か薄膜全体において異方性を有しているのかなど、結晶性とデバイス性能との相関を詳しく調べるために、基板面に平行な面を測定する従来の方法だけでなく、垂直な格子面からの回折線を測定できるIn-Plane測定機能も使って有機薄膜の結晶状態を評価したいと思っています。
また、薄膜を載せた基板を加熱することで結晶性の制御を行いますが、デバイスにとって最適な加熱条件をX線DSCにより簡便に検討できると考えています。

外部から来られた方が簡単に使えること

ナノテクノロジープラットフォーム事業では外部の方が装置を直接使用していただくこともできるので、簡単なGUIで使えることも大切でした。指示に従って操作していくことができるSmartLabのガイダンス機能は、X線回折装置を初めて使う人にとって本当に簡単です。

浅尾 直樹 教授
東北大学原子分子材料科学高等研究機構 浅尾 直樹 教授

男庭 一輝 様(D2)
同研究室 男庭 一輝 様(D2)

「SmartLab」
研究室に設置された「SmartLab」

今後への期待

幅広い依頼内容への対応

もちろん有機材料だけでなく、無機物も支援対象です。SmartLabは多目的かつ高精度なX線回折装置なので、試料も粉末から薄膜、ナノ材料まで幅広く対応が可能ですので、さまざまな支援依頼に対応していきたいと考えています。
すでにリガク様には顔が見えるサポートをしていただいていますが、これからも引き続きよろしくお願いします。

in-plane XRD外部からの依頼試料も受付中

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 浅尾研究室 様
http://www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp/asao_labo/

東北大学ナノテク融合技術支援センター
産業界などから、研究開発現場が有する技術的課題の解決に向けた相談を受け付けておられます。
http://cints-tohoku.jp/bunya/souchi_mol.html

本設備は文部科学省の「ナノテクノロジープラットフォーム」事業予算を利用して購入されました。

導入製品

全自動水平型多目的X線回折装置 SmartLab

全自動水平型多目的X線回折装置 SmartLab
 +(アタッチメント)X線回折-示差走査熱量同時測定装置 X-ray DSC

用途

粉末から薄膜、ナノ材料まで、幅広い材料に対応できる多目的X線回折装置。
分析手法や各種材料に最適な測定テクニックを知り尽くしたリガクの測定スペシャリストが、そのノウハウをパッケージ化することに成功し、業界ではじめて装置が最適条件を教えてくれるガイダンス機能を実現した装置です。膜厚測定、配向測定、粒径空孔径分布測定など、従来難しかった薄膜材料の測定を、専門的な知識がなくとも可能にしました。