独立行政法人 海洋研究開発機構 様

導入事例

リガク製品の導入事例をご紹介いたします。

独立行政法人 海洋研究開発機構 様

軽元素の高感度測定が行える波長分散型小型蛍光X線
波長分散型小型蛍光X線分析装置 Supermini

[ 2008年4月23日掲載 ]

導入背景

巨大地震発生帯を現場で観測する

2004年におきたスマトラ沖大地震と大津波では、これらの自然災害により私たちの社会がいかに深刻な影響を受けるかを見せつけられました。壊滅的な巨大地震や津波がなぜ発生するのかを解明するために、そして長い年月をかけて起きている地球システム変動の姿を明らかにするために、統合国際深海掘削計画(IODP)による海洋掘削調査が行われています。
現在IODPの研究航海として実施されている「南海トラフ地震発生帯掘削計画(NanTroSEIZE)」では、科学史上初めて巨大地震発生域の地震断層に向けて掘削が行われ、地震発生のキーとなる岩石試料の採取と孔内での現場観測が試みられつつあります。

速やかな測定と蛍光X線分析での効率化が必要だった

これら掘削計画の実施機関である独立行政法人 海洋研究開発機構様は、地球深部探査船「ちきゅう」を使って試料採取・データ測定を行っています。海底下の地層から掘削される試料は経時変化するものが多く、現場で速やかに測定しなければならないため、分析装置を研究船内に設置する必要があります。中でも固体の化学分析は手間と時間が一番かかる作業であり、蛍光X線分析による作業の効率化が望まれていました。

Superminiを選んだ理由(ご担当者の声)

小型卓上でありながら高出力で、軽元素の高感度測定が行える波長分散型を選定

岩石や堆積物の化学分析を行うにあたり、特に軽元素側での測定精度を上げたいという要望が、IODP以前の科学掘削計画時代からの課題でした。これには主成分の軽元素(Si、Al、Mg、Na等)がしっかり分離定量できる必要があります。Superminiは小型卓上ながら高出力で波長分散型光学系を採用し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)では得られない優れた分解能と軽元素の高感度測定を実現している点が決め手でした。
測定時間についても、高性能のEDXRFと比較すると、Superminiで10分程度でできる測定がEDXRFでは1時間以上かかってしまうなど、その差は明確でした。

省スペースと100V電源対応

さらに船内に設置する条件としてスペースや電源容量にも制限があります。船内での設置のし易さと、使い勝手のよい卓上型で100V電源で使用できる点も重要でした。
また設置に関しては、備え付けや既成の実験台では、さまざまなサイズの分析装置にフィットするわけではなく、また固定のための工夫も必要になるのですが、ポンプなどの周辺機器を組み込んでコンパクトに収められる専用台をご提案いただいたことも助かりました。


独立行政法人 海洋研究開発機構
地球深部探査センター(CDEX)
IODP推進室
杉原 孝充様

研究船内に設置された「Supermini」研究船内に設置された「Supermini」

今後への期待

固体化学分析の効率化

掘削試料の分析は固体や液体(間隙水)・ガスなどについて行いますが、固体の化学分析は今まで一番手間と時間がかかる作業でした。しかし作業の割りに主成分の分析については満足な結果が得られていなかったため、蛍光X線のガラスビード法により高精度化かつ効率化されることに非常に期待しています。科学掘削船上で大量かつ速やかに蛍光X線分析を行うことは、世界の科学者からの強い要望でもあり、我々としては小型卓上型の蛍光X線分析装置がその期待に応えられると思っています。
それ以外では、薬品廃液や洗浄溶液の破棄に関し、重金属の有無についての迅速測定にも利用する予定です。

ワールドワイドのサポート

数多くの分析・計測機器を搭載し、数ヶ月から半年の連続航海に出るので、どうしても装置トラブルは避けて通れないものと考えています。私たちの科学支援技術者は十分なトレーニングと経験を積んでいますので、原則として自分たちで対処するのですが、必要な部品や専門技術者の派遣は、いついかなる場面で発生するかもしれません。先端科学を支える技術や支援は、ワールドワイドで活動を行ってくれるメーカーを望んでいます。

地球深部探査船ちきゅう船内実験室地球深部探査船ちきゅう船内研究室

Supermini設置用専用台
Supermini設置用専用台

独立行政法人 海洋研究開発機構 様 http://www.jamstec.go.jp/

地球深部探査船「ちきゅう」

世界最大の科学掘削船

2005年7月に完成した「ちきゅう」は、 世界最高の掘削能力(海底下7,000m)を持つ地球深部探査船です。この船の完成によって、今まで人類が到達できなかったマントルや 巨大地震発生帯への掘削が可能になりました。
「ちきゅう」は、総合国際深海掘削計画(IODP)の主力船として、 巨大地震発生のしくみ、生命の起源、 将来の地球規模の環境変動、新しい海底資源の解明など、人類の未来を開くさまざまな成果をあげることを目指しています。

「ちきゅう」の主な仕様
全長:210m、幅:38.0m、深さ:16.2m、総トン数:57,087トン、
航海速力:12ノット、航海距離:14,800マイル、定員:150名、
推進システム:ディーゼル電気推進

「ちきゅう」情報発見サイト(JAMSTEC)はこちら

地球深部探査船ちきゅう地球深部探査船ちきゅう
「協力 JAMSTEC」


導入製品

波長分散型小型蛍光X線分析装置Supermini

波長分散型小型蛍光X線分析装置 Supermini
(Supermini 200)

用途

岩石、鉱物の組成分析から、WEEE/RoHS/ELV指令に対応した重元素の微量分析まで幅広く使用できます。