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【新製品紹介】次世代2次元半導体検出器を世界同時発売~研究を大きく躍進させる最先端X線検出~

2014年4月1日
株式会社リガク

 

この度リガクは、X線回折装置ユーザーに向けた次世代2次元半導体検出器HyPix-3000(ハイピックス3000)を自社開発しました。2014年4月1日より日本、および世界で同時に販売開始します。

HyPix-3000は、ハイブリッドピクセルアレイ型の半導体検出器で、有効面積約3000mm2の大面積、ピクセルサイズ100x100µm2、カウントレート106 cps/pixel以上、約99%の高い検出効率(銅特性X線使用時)、高速信号読み出し、原理的にバックグラウンドレスを実現した世界最高レベルのX線回折用半導体2次元検出器です。

HyPix-3000は、X線を直接検出する光子計数型の半導体検出器でありながら、大きな検出面積を有しています。これにより、試料からの多くの回折情報を一度に検出することが可能なため、高速な測定を必要とする試料の動的な変化観察を行なうことができます。また直接検出方式のため回折像の滲みがなく、優れた位置分解能との組み合わせにより、これまでの半導体検出器にない、広域・高分解能な測定を実現可能としました。例えば有機化合物の加熱による結晶相転移や脱水挙動、無機化合物の合成時の中間層の確認といった反応の過程を高い分解能でリアルタイムに観察することができます。また得られる2次元の回折像からは、先端デバイスとして利用されている薄膜材料などの性能に大きく関わる結晶の方位や配向の度合いといった情報を視覚的に捉えることができます。

さらに、HyPix-3000は、全自動水平型多目的X線回折装置SmartLab(スマートラボ)への搭載により、多次元検出器としてのアプリケーションを提供します。これまでのように0次元検出器、1次元検出器、2次元検出器を個別に準備し、用途に応じて載せ替えるという煩わしさがなくなり、すべてのアプリケーションをこの1台で行えます。もちろん、これまで高速1次元検出器やシンチレーションカウンターで行なっていた粉末試料の結晶相同定・定量分析・結晶性評価のための超高速測定や薄膜試料の膜厚・膜密度測定、ナノ・サブミクロンオーダーの粒子サイズや粒径分布評価、バルク試料の残留応力測定といった分析から、2次元の検出器が得意とするエピタキシャル薄膜の方位やドメイン評価を行う広域逆格子マップ測定、バルク材料の高速方位解析、高速配向性マッピングといったアプリケーションまで幅広い評価をHyPix-3000で行なえます。各種材料の研究開発において、多くのアプローチを一つのシステムで行えるため、分析・評価の幅が広がり、研究を大きく躍進させることに貢献します。

主な特長

  • 幅広いダイナミックレンジによる高感度測定
    1秒間、1ピクセルのX線計数で106カウント以上の高いカウントレートと、2つの内蔵ディスクリミネーターによる幅広いダイナミックレンジの測定を可能としました。
  • 2次元、1次元、0次元X線検出器としての機能を1台でサポート
    1台の検出器で2次元だけでなく1次元、0次元検出器としての機能もサポートし、検出器をアプリケーションに応じて交換する必要がありません。粉末から薄膜解析まで、1つの検出器で対応できます。
  • バックグラウンドを極限までカット
    2つのエネルギー選別フィルターにより、電気ノイズや蛍光X線の影響を低減することで、よりS/Nの優れたデータを取得できます。また宇宙線や連続線など、ノイズの原因を除去することが可能です。
  • 直接検出方式で100x100µm2のピクセルサイズによる高分解能測定
    直接検出方式なので回折像に滲みが発生しません。また、ピクセルサイズが非常に小さく、優れた位置分解能を実現しました。
  • 有効面積約3000mm2の大面積
    一度に測定できる2θ範囲が広く、2次元測定も高速で行えます。
  • 99%以上の高検出効率(Cu(銅)特性X線使用時)

Micro-Z ULS
製品の外観

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